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(C)支援・補完的機能
市町村機能の拡大に伴って、今後とも府県は市町村に対して財政、情報、人材等の支援を行うことが求められている。また、市町村はその規模、能力等が様々であることから、府県には小規模町村等に対してその機能を補完し、代替することが求められる。市町村自治にとっても、幅広い機能を背負い込むことがかえって市町村自治の負担、障害となるおそれもあることから、市町村の負担を軽減する意味で、こうした府県の機能は重要である。
府県の基本的性格と機能について検討するという本稿の作業は、不十分ながら以上で一応の区切りとしたい。これを受けて、府県と市町村の事務区分、市町村への権限移譲の方法、府県組織の改革などが問題となるが、もはやそれは他日の課題とするほかはない。

 

1)たとえば、成田頼明『地方分権への道程』良書普及会、1997年、47頁、大森彌「地方分権について」島根自治体学会編『論・地方分権』1994年、107頁参照。
2)横浜市長・高秀秀信氏は、第1次勧告に対し、権限移譲がほとんどの分野で都道府県レベルにとどまっていることを指摘し、政令市をはじめ市町村が自己決定権を確立する「明確な展望が持てない」とコメントしている。『日本経済新聞』1996年12月21目付、『神奈川新聞』同日付参照。
3)以下の叙述については、私も参加した神奈川県自治総合研究センター「指定都市と県」研究チームの『指定都市と県』1990年、63−66頁、西尾勝、大森彌編著『自治行政要論』第一法規、1986年、第1章(西尾勝執筆)などを参照。
4)たとえば、田中二郎ほか『府県制度改革批判−地方制度調査会の答申をめぐって』有斐閣、1957年、地方自治研究会『自治論集X 広域団体論』1959年などを参照。
5)第4次地方制度調査会答申「地方制度の改革に関する答申」1957年参照。
6)高等昇三『地方分権と大都市』頸草書房、1995年、301−306頁。
7)恒松制治「地方行政主体の多様化と主体性」法律のひろば43巻2号、1990年。
8)田中二郎「地方公共団体の再編成」地方自治研究会。前掲注4)17−20頁。
9)長洲一二『続・燈燈無壷』ぎょうせい、1976年、16頁、同「80年代の課題は”地方の時代”」季刊自治体学研究4号、1980年参照。

 

 

 

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